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苛烈するDeep Research競争 Perplexityは”挑発”

  • 執筆者の写真: NKimetenai
    NKimetenai
  • 2月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月27日

各LLMは近年、Deep Researchを次々とリリースしながら、主に月額料金やHumanity’s Last Exam(以下HLE)スコアで激しい競争を繰り広げています。そのなかでもPerplexityは好戦的な姿勢が際立っており、OpenAIが検索支援AIで先行すると、すぐに同格のDeep Researchモデルを投入して注目を集めています。


16日にはサム・アルトマン氏がGPT-4oのアップデートを発表しましたが、同日にPerplexity CEO アラヴィンド・スリニヴァス氏(Aravind Srinivas)挑発的とも取れるリプライを投じたことが話題を呼びました。 これまでOpenAIはLLMの先駆者としてリードを何度も奪い返して来ましたが、Perplexityの深層検索AIとしてのコストの低さは、新たなるライバルとなりそうです。


Aravind Srinivas氏のXでのポスト
「昨日君を越えたんだ。見てよ。」とスリニヴァス氏

PerplexityのHLEは約21%に到達しており、OpenAIのDeep Researchにかなり迫る水準になっています。 DeepSeek R1がo1を超えた直後に、それをわずかに上回る精度を持つo3-miniがリリースされ、さらにOpenAI Deep Researchが大きく記録を塗り替えました。それから時が経たずしてPerplexityは月額20ドルという条件でこれに迫ったことは、LLMの指数関数的進化速度を感じさせます。


PerplexityのHLE精度の競合比較
Perplexityが公開したHLE精度。OpenAIには及ばないが、同格と言える。

PerplexityのDeep Researchは無料ユーザーでも1日5回利用でき、月額20ドルのサブスクリプションであれば1日500回の利用が可能。 一方で、OpenAIの”oシリーズ”(CoTモデル)の次期モデル”o3”は計算コストの高さから、一般ユーザーへの本格的なリリースが難しいと予測されていました。その点、Perplexityの料金体系は比較的手が届きやすい印象があり、多くのユーザーを取り込んでいるように思われます。


OpenAIはマルチモーダル技術の強化に注力しており、サム・アルトマン氏はGPT-4.5を数週間から数か月以内にリリースすると予告しています。氏は「最後の非CoTモデルになる」と語っており、推論・検索・生成を一体化した真のマルチモーダルを目指しているようです。 また、高額なサブスクリプションに関しては「一年で10分の1になる」という“アルトマンの法則”ともいえる発言をしていますが、RedditのAMA(Ask Me Anything)ではProサブスクリプション継続の方針を明かしており、最先端の機能を享受するための高額プランは今後も続く見込みです。


サム・アルトマン氏の投稿
先日のポストでGPTシリーズのロードマップに言及している。クリックでXポストへ。

一方、GoogleのGeminiは巨大なネットワークインフラを活かしてドキュメントの修正やYouTubeの要約、さらにはAndroidデバイスへの搭載など、サブツールとしての印象が強い展開を見せています。

Deep Researchも提供していますが、回答が1万文字を越えることもあり、簡潔性では上述の2社がリードしている印象。 Geminiは画面共有を活用したリアルタイムでの回答に強みがあるため、今後は精度とレスポンスがさらに向上すれば、幅広い層からの注目が高まるでしょう。


こうした大手企業同士の競争だけでなく、LLMのAPIを活用したDeep Researchモデルや画面共有型のモデルを小規模グループが手がける動きも活発です。Open Deep ResearchGemini Cursorなど、独自の発想や技術を取り入れたプロジェクトが相次いで登場しており、大手のハイテンポなリリース合戦にも負けず劣らずの熱気で進化を遂げているようです。


Open Deep Researchのホーム画面
先日紹介したOpen Deep Research。クリックで記事へ。


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